「鬼神童子ZENKI」&「爆骨少女ギリギリぷりん」&「レディ・ジャスティス」雑感
漫画の連載作品から足も遠のいて久しく
真っ先に続きが気になるようなこともなくなりました。
そんなとき「鬼神童子ZENKI」という漫画を読んだのですが
この漫画は全編通してただひたすら目の前に立ちはだかる敵を倒し続けるのみの
非常に明快な方法で描かれている作品です。
もちろん、敵味方ともに数が増えたり、スケールが大きくなったりするのですが
基本的に同じスタンスのまま最後までバトルし続けます。
上の画像でも分かる通り、(作中ではそれ以上に)衣装ががビリビリと破かれ
肌や下着があらわになるシーンが何度も登場します。
それ自体はおそらく古くから存在している少年漫画の手法の1つだと思うのですが、
この当たり前のように確立されたシンプルなバトルと微妙なさじ加減によるエロスこそが
以前みたく漫画の興味を持続させる1つの方法ではないかという考えに至りました。
そこで次に注目したのはZENKIと同じく月間少年ジャンプで連載されていた
「爆骨少女ギリギリぷりん」という作品です。
この漫画は先ほどのバトルとエロスをコメディタッチで描いている作品で
格闘ジャンルはプロレス、ギリギリぷりんという異名を持つ少女が
得意の関節技(サブミッション)を使ってスケベ教師たちをこらしめるという設定です。
サブミッションという体と体が密着するプロレス技とシチュエーションが正に
ギリギリを攻めつつ、○○○○がぷりん(?)とする漫画になっています。
この漫画の舞台はマルチメディア学園という様々な職種を扱う養成学校で
登場する変態教師たちは毎回あの手この手を使ったエッチな方法で
ギリギリぷりんを追い込んでいきます。
エロだけの漫画ではないというか意外に端々までちゃんと作り込んであって
格闘シーンに関しては現在でも通用するどころか一見の価値があるほどカッコいいです。
そのためエッチ描写が豊富で興味深く読むことができたのですが
それを準備するのに多くのページ数を割いていて
肝心のぷりんのプロレスシーンが疎かになっていることが多かったのが残念でした。
作者自身もシチュエーションのネタ作りに苦しんでいるところがあって
変に凝らなくても、もっと普通にぷりんが見たい感がありました。
目新しさがなくてもZENKIの小明が毎度おなじみの様に服が破けつつの
熱いバトルを見られればそれでいいんじゃないのか?
という早くもZENKIに回帰しようとする考えが生まれました。
ギリギリぷりんの影響を受けた漫画のように思えて読んでみたのですが、
とても良かったです!
スーパーマンな少女が平和のために戦うのですが
全2巻の打ち切り作品なのでZENKIの様に熱いバトルがあるワケでもなく
ギリギリぷりんの様に凝ったシチュエーションがあるワケでもない
ある意味ごく平凡なジャンプ漫画なのですが
ぷりんで成し得なかった部分、ヒロインのレディジャスティスに
しっかりスポットが当てられていて、なおかつZENKIの小明のごとく、
毎度衣装を破かれ続けるお約束を貫く意思力は
確かに両作品の良いところを受け継いでいると言えます。
お色気漫画とは違う、バトル漫画という前提の上でのエッチさというのは、
漫画の内容とあまり関係のない些細な事柄ではありますが
全ての漫画を網羅とは言わずとも、
自分の中でだけででも系統立てて読み直すことで
より面白く読み進めることができたことを改めて実感しました。
どのジャンルでもそうですが過去の作品からの比較や発展を意識することが
これからより重要になってくるんじゃないかと思います。