temu38のブログ

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封神演技 雑感 その2 ~アニメと原作の違い編~

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自分の場合、封神演義の入口となったのは

アニメ版覇穹 封神演義からでした。

 

視聴した第一印象は面白いかどうか以前にまず理解するのが難しかったです。

中国文化に馴染みがなくてキャラや技などの名称が頭に入ってこないのと

政治や歴史、地理などストーリーの進行を解説するナレーションがないので

作品のバックボーンが分からないまま

いきなり中国文化のアニメを観てしまった感じになってしまいました。

あとかなり大胆な構成になっていることは明白で

原作未読には厳しいアニメと言えます。

 

逆にそういったこのアニメに対する疑問が気になって

原作を読んでしまうところまでいってしまいました。

 

結果的にどんな原作なのか知りたくなるようなアニメではあったのですが

原作を知っていると物語の省略具合が半端ではないのが分かってしまって

それはそれで物足りないようにも感じてしまいました。

一応改変ではなく省略なので

作画崩れなどの原作のイメージを損なう感じともまた違って

何とも言えない微妙な気持ちになる不思議なアニメでした。

 

封神演義のアニメ化は今回で2回目らしく

1度目がどんなアニメなのかは確認していないのですが

今回の件で原作のアニメ化の意義について色々考えさせられました。

 

映像面に関しては大幅にパワーアップしているし

声優さんのキャスティングや演技も素晴らしい。

しかし物語設定の省略や構成の変更による問題も

同時に受け入れながらアニメを観ていかなければならない。

つまり原作アニメを観る際には

それ専用の受け入れる意識の在り方をちゃんと用意する必要があります。

 

ストーリーを理解しつつも

原作からある程度離れて映像を楽しむモードになる。

原作はそれでも気になった時に確認するもので

間違い探しをするために扱ってはならない。

なんだか当たり前のことような気もしますが

アニメごとに関する意識配分というのは

同じようでいて無意識の内に随分使い分けていると思います。

 

アニメ「覇穹 封神演義」に関しては

軍事政略や歴史的観点から観るよりも

初心に帰って中華風少年マンガとして観るのが良いと感じました。

その見方が確立されてくると

主役の太公望たちが美しい背景映像の中を

魅力的で大らかに動くように見えてきました。

なんというか藤崎竜先生の世界観と中国の雄大な背景美術が

とてもゆったりとした時間の流れを生み出している感があります。

 

他にも(妲己ちゃんがカワイイとか)良い部分はたくさんありますが

それはあくまでも先に述べた原作との不和を解消した先にありました。

その上で臨む最終戦は原作勢も納得の素晴らしい出来でした。

やはりハイクオリティな原作モノアニメというのは

様々な障害を乗り越えてこそのものなのかもしれません。

 

その3に続く(かも?)

 


TVアニメ「覇穹 封神演義」新PV